おしごとデザイン研究所

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構造としての業務フロー

業務フローというのは、構造にあたります。骨組みのようなものです。一方で、以前にも書いたように、業務フローという「モノ」がしっかりと存在するのではなく、あくまでも未来に対する期待・願望・指針でしかありません。つまり触れないし見えない「コト」なのです。

ちょうど先日、サッカーのワールドカップ予選がありました。サッカーでは個々人のプレイヤーやボールそのものは見えますが、プレイヤーの間を受け渡しされるボールの軌跡そのものは見えません。そして実はこの軌跡が業務フローに相当します。

例えば練習のときに、セットプレイではここにAさんが立っていて、こっちからBさんがこのようにパスを出して、のように練習します。しかし本番のときに全く同じように再現できるかというと、決してそうではありません。これは事務作業でも似ていて、ルーティンワークの名前とは裏腹に、実際にはその場その場のアドホックなアドリブが必要となったりします。

ですから、「今後、我社の業務フローはこのようにします」と絵に描いたとしても、それはサッカーの練習のときと同じであって、本番での精緻な再現を保証しません。正に絵に描いた餅なのです。あくまでも、「こういう風に綺麗にパスがつながればいいなぁ・つなぎたいなぁ・つなぎましょうね」という期待・願望・指針でしかないのです。

一方で、その見えない構造の中で、個々人はプレイヤーとしての機能を果たすことになります。機能=ファンクション=関数、つまり入力に対して何らかの処理をして出力をします。ボールを受けてドリブルをしてパスを出す、みたいなものでしょう。こちらは目に見えます。指さしして指摘をすることが可能です。ですから「業務フローを改善しましょう」と言いながら、実際には個々人の機能改善に終始していまうケースが殆どになってしまうのです。ITを導入してもその恩恵に浴せないというのは、パス回しが変わらないからというのが大半です。

機能と構造という観点で考えることが大切であり、業務フローとは構造の話なのです。この話続く…かな?