おしごとデザイン研究所

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業務フローは果たしてフローなのか

前回、業務フローの本質は「流れの構造」だと書きました。ただ、本当に「流れ」なのだろうか、というのが実は割と本気で疑問だったりしています。というのは、以前に「シゴトのおきて」ということも書きましたが、要するに「Aさんからxxという依頼があったら、これをする」「これをし終わったら、Bさんに確認の依頼をする」というような掟=ルールの集合を個々人がこなしていくのを後追いすれば、それが結果として一筋の流れになっている=フローがあるように見えるだけではないのか、と。

これは、フローというレールがあってその上に乗っかってるのではなくて、色んなやり取りの軌跡がフローになってる、つまり、フローがある、ではなくて、フローになる、なのではないか、と感じたりするのです。これが以前にも書いた「業務フローは獣道である」という話になります。

実際問題として、実に様々な表記法が存在しますが、全てのケースを書ききれるものが実は存在しません。マジカ!の場合は割り切っていて、「こちらへカード」という、コンピュータのプログラミング言語においてはGoToに該当する、要するにジャンプさせることで、色んなケースについて別出しして記述する方針を採用しています。

ホワイトカラーのルーティンワークは実は結構アドホックだ、というのは、このやり取りが実に臨機応変に切り替わるからで、ワークフローのメタファの元となっている工場のベルトコンベアや、あるいは鉄道のレールなどと比較すると、まったくもって規定されてないかのような動きをします。これは正にサッカーなどのチーム球技におけるパス回しのようです。そして実際には、バックパスに該当するケースが非常に多かったりします。

前回、業務フローとはメッセージパッシングだということも書きました。そう、パッシング、パスをするということです。メッセージをパスする、パスするというのはやり取りをするということです。メッセージをやり取りする。ここでいうメッセージとは「意図」と読み替えていただいて良いかと思います。

この「パスを回す」ということを考えると、回し方のルールの集合だと思えば網羅的に表現は可能です。但しそれは図表現では難しい気がしています。ITに落としこむことを考えると、一般的なルールエンジンにおけるルール記述のほうが適していると感じます。それでも尚、俯瞰的な図表現にこだわるなら、実はそれはネットワーク表現になるように感じるのです。つまり個々人の間のやり取りということになります。

というわけで、もう少しこの話続きます。